Journalism × Art
言葉は書き留めなければ、口に出した途端に空気の中に溶けていく。
人々の日々の営みも、語り伝えていかなければ、忘却の彼方に消える。
もちろん、人間が生み出した構造物も変わらない。
どんな堅牢な建物も、いずれは土に還る。
膨大な情報があふれる今の時代、様々な情報がデジタル化されている。
その情報も、意味を与えなければ文字の羅列に過ぎない。
私たちは編集とアートの力、そして独創性で、
「消えゆくもの」に意味を与え、「形あるもの」として残していく。
蛙企画はジャーナリズムをベースに様々なコンテンツを制作しています
日々、生み出される膨大な数のニュース。社会や経済の変化を把握するために、あるいは不確実な未来を少しでも見通すために、今起きていることを理解し、自分なりの見方を持つことは変化の早い時代を生き抜くために不可欠です。もっとも、朝のニュースが夜に価値を失うこともしばしばで、コンテンツとしての価値はそれほど長いものばかりではありません。
一方、私たちの周囲に目を転じれば、時代の流れの中で消えゆくものも少なくありません。それは、昔の文化だったり、道具だったり、建物だったり、人間そのものだったり、あらゆるものが廃れ、壊れ、老いていきます。私たちはプロジェクトという形で、そういった「消えゆくもの」の価値を問い直し、テキストと写真、動画などで後世に残していこうと思っています。
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主な書籍
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『腹八分の資本主義』(新潮新書、2009年)
It all begins with an idea. Maybe you want to launch a business. Maybe you want to turn a hobby into something more. 2008年に、日経ビジネスオンラインに連載した地方創生関連の記事をまとめたものです。記念すべき一作目。それぞれの地域で奮闘する個人や組織というミクロの事象を通して、国のあり方などマクロの全体の課題解決の方向を示しているという意味で、私が目指しているアウトプットの一つの形を実現できたと考えています。
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『おまんのモノサシ持ちや!』(日経新聞出版社、2010年)
高知在住のローカルデザイナーとして活躍している梅原真氏の仕事の流儀を追ったルポルタージュ。梅原氏が商品開発やパッケージデザインに関わった地域や産品を通して、梅原氏の哲学やデザイン手法、地域創生のあり方についてまとめました。梅原氏が手がけるプロジェクトは四国の山奥から半島、島などの僻地が多く、取材や移動に苦労したことを覚えています。
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『神山プロジェクト』(日経BP、2014年)
サテライトオフィスやアーティスト・イン・レジデンスなど、独自の取り組みで知られる徳島県神山町のまちづくりについてまとめた一冊です。独自の取り組みを進める地域のリーダーや移住者のヒューマンストーリーを通して、地域創生の一つの形を浮き彫りにしました。最近では、神山まるごと高専の設立プロジェクトが進んでおり、地域は今なお進化しています。
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『ヤフーとその仲間たちのすごい研修』(日経BP、2015年)
ヤフーを核に、アサヒビールやインテリジェンス(現パーソルホールディングス)、日本郵便、電通北海道、美瑛町役場の社員・職員が美瑛町を舞台にガチンコで魂をぶつけ合った180日間の研修の軌跡。研修の最終日、各グループが町長に提案するまちづくり提案の内容が全く見えない中、書籍原稿を書き始めるという著者としても野心的な取り組みでした。
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『グローバル資本主義vsアメリカ人』(日経BP、2020年)
トランプ大統領を生み出した背景を探るべく、米国の地方を巡り、グローバリゼーションに伴う雇用流出、ドラッグ汚染、不法移民、所得・教育格差、退役軍人、国境警備など、米国が抱える様々な社会問題の中でもがく人々の現状を描き出した一冊。ニューヨークやサンフランシスコにいては決して見えない米国の素顔を描きました。
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『House of Desires ある遊廓の記憶』(蛙企画、2021年)
大阪の歓楽街、飛田新地に佇む元遊廓の写真集。舞台となった「満すみ」は空き家になって久しく、放っておけば取り壊されるような存在です。もっとも、内部に足を踏み入れると、戦前・戦後の遊廓や赤線時代の痕跡が至るところに遺されていました。そのまま壊されるにはあまりに惜しいと感じたため、クラウドファンディングで支援者を募り、制作した写真集です。