Photography Book Projects

  • 満すみ写真集『House of Desires』

    本プロジェクトでは、江戸時代から続く遊廓の歴史や建築としての特徴、建物を通して垣間見える文化や習俗を後世に伝えるため、建物が解体される前に満すみに遺された遊廓の記憶を写真集という形で記録することにしました(日本語と英語の2カ国語表記)。写真集はKawazu Projectのウェブサイトで販売しておりますので、ご関心のある方はご確認ください。

  • イタコ写真集『TALKING TO THE DEAD』

    その昔、日本の各地には、人々の生活に根ざした様々な儀式や習俗が存在しました。その中には、今の価値観に照らせば荒唐無稽に感じるものもあるかもしれませんが、それが豊かで独特な日本の文化と精神性を育んだことは間違いありません。

    「イタコ」も、そんな習俗の一つに挙げられます。

    本プロジェクトでは、イタコという地域の生活に密着したユニークな習俗を記録し、世界に広く伝えるため、最後の盲目のイタコ・中村タケさんを軸にした写真集を出版しました。

Documentary Projects

  • 『釜ヶ崎物語』(全4話)

    大阪の一角に、地図にない街があります。大阪市西成区にある「あいりん地区」、通称「釜ヶ崎」と呼ばれる場所です。

    「日雇い労働者の街」と言われた釜ヶ崎は、高度経済成長期から1990年代前半のバブル崩壊直後まで、仕事を求める労働者が集まる寄せ場として活況を呈しました。釜ヶ崎と、ここに集まる労働者の存在なくして、日本の高度経済成長とインフラ建設は実現しなかったでしょう。

    もっとも、大勢の労働者で賑わった釜ヶ崎も、公共事業の減少と高齢化の加速で様変わりしています。街ですれ違うのは年老いた元労働者ばかり。地域の男性比率が80%、60歳以上の男性高齢者が41%、生活保護受給世帯が40%と、高齢の貧困男性ばかりが集まる、世界でも類を見ないいびつな街になりました。

    本プロジェクトでは、静かに老いていく釜ヶ崎に暮らす人々と、大都市における超高齢化社会の日常、そして彼らを支える重層的に張り巡らされるセーフティネットの存在をひもとくため、ニューヨーク在住の映像作家、元吉烈氏とドキュメンタリー映像を制作しました。

  • 辺境のアメリカ

    日経ビジネスニューヨーク支局長時代、私は部下の長野光や映像作家の元吉烈とともに、ドラッグや貧困、不法移民、銃規制など、米国の社会問題を取材し、ルポルタージュやドキュメンタリーとして発表しました。2016年11月の米大統領選で、トランプ前大統領を誕生させた背景にあったものを知りたいと思ったからです。

    その成果は、「日経ビジネス電子版」や著書『グローバル資本主義vsアメリカ人』にまとめています。ここでは、それぞれの作品の概要と、元吉が制作したドキュメンタリーをご紹介します。私が書いたルポルタージュは『グローバル資本主義vsアメリカ人』をお読みください。※取材時期は2017年3月~2019年2月